おひさま子供(こども)クリニック 福島市 小児科【予防接種・乳幼児健診・アレルギー疾患】
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小児科全般

当院で扱う、全般的な小児疾患をご紹介いたします。

1.感染症

たくさんある感染症の中で、小児に代表される感染症を紹介します。

夏カゼ・手足口病、ヘルパンギーナ、プール熱など:

夏の高温・多湿を好むウイルスで感染し、発熱、頭痛、腹痛などの症状の他に、特徴的な水疱や発疹などが出やすいかぜです。治療は、体力を保つための水分補給に努め、それぞれの症状には対症的治療を用います。予防策として、経口的に感染することが多いため、手洗いは非常に大事です。

冬カゼ・インフルエンザ、RSウイルス感染症、ロタウイルス感染症など:

冬の低温・乾燥を好むウイルスで感染し、倦怠感や発熱、咳、腹痛や嘔吐などの強い全身症状を伴いやすいかぜです。治療において、インフルエンザには内服薬や吸引薬、あるいは点滴薬などの特効薬があり、お子様の状態に応じて使用可能です。RSウイルスやロタウイルスの感染症は特効薬がないため、対症的治療になります。予防策として、インフルエンザにはワクチンが効果的です。RSウイルスにはワクチンがまだありませんが、受動的免疫薬としての注射剤があり、未熟児で生まれた場合や慢性肺疾患、先天性心疾患を持つお子様に限っては使用できます。また感染力が強いロタウイルスには、ロタウイルスワクチンを服用することでロタウイルス胃腸炎を予防する事ができます。ワクチンを服用した赤ちゃんが増えれば集団内の感染が抑えられる効果も期待されます。
もちろん、どの感染症にもマスクやうがい、手洗いも効果的な予防策なので励行をお勧めします。

突発性発疹

生後5ヶ月から2歳までの乳幼児が感染します。比較的機嫌はいいものの39℃以上の発熱が3~4日間持続し、時にはけいれんを伴うこともあります。解熱とともに体幹や顔、四肢に斑状の赤い発疹が出現し2~3日間持続します。生後はじめての高熱であることが多いためご両親は不安になりがちですが、経過が良好なことから、機嫌が悪く水分補給がうまく出来ないような時に解熱剤の使用を勧めています。

百日咳

お子さまに鼻水と軽い咳が1~2週間続き、夜中の咳き込みが発作的に途切れなく続く苦しい咳き込みに変化し、ご両親が心配になって来院されます。夜間の咳き込みには①発作的な咳き込み②吸う時に笛のような声を出す③咳に伴う嘔吐、などの特徴が有ります。ひどい咳き込みに加えてチアノーゼや顔のムクミ、紅潮や結膜充血などを伴い、乳児の場合には無呼吸が出現することもあります。最近では大人の百日咳の増加傾向もみられてきています。お子さまの咳の変化に早く気づくことが治療の第一歩になりますので、「チョットいつもの咳と違う」と思われたらいつでもご相談下さい。

伝染性膿痂疹

皮膚に付着した細菌により引き起こされ、水疱になったり、破けてグチャグチャしたり、厚いかさぶたで被われた発疹になります。他の皮膚に次々と感染していくため「とびひ」とも呼ばれています。治療の原則は皮膚を清潔に保つことで、シャワーを2~3回/日を行なうことが非常に効果的です。患部の消毒と抗生剤の塗布を行い、さらに患部の被覆により他の部位への伝染を防ぎます。時には抗生剤の経口投与も用います。

マイコプラズマ肺炎

4歳以上の幼児、学童において、咳や痰が長引いている(1~3週間ぐらい)場合にマイコプラズマ肺炎を疑います。肺炎であっても比較的元気で、食欲があり、ふつうに登園・登校をしていますが、次第に夜間の咳き込みが増え、さらに発熱や胸の痛みなどを訴えるようになり、中には重症化する場合もあります。マイコプラズマ自体の感染力は比較的弱いものの、比較的密室化した環境下で感染が成立してゆくため、家庭内や学校、幼稚園など相互の感染情報の共有化が重要です。治療には抗生剤の2週間程度の内服が必要とされることから、自己判断での投薬中止は慎んで頂きたいところです。

感染性腸炎(食中毒)

感染性腸炎の治療の第一歩は原因病原体の検出・想定にあります。
しかし、下痢や腹痛、嘔気・嘔吐、さらには発熱を伴っていても感染性腸炎だと気付くことは容易ではありません。
感染を引き起こす病原体は、細菌性のものやウイルス性のものと数多くあることから、原因病原体の検出・想定には経験が問われることになります。もし、病原体が想定できれば、予測される潜伏期間やその期間の食事内容、接触した環境についても重点的に洗い出せ、お子さまの治療にかなりの効果をもたらします。更には周囲の予防対策の改善も期待できます。お子さまの症状に潜むあらゆる危険性を考え、周囲の環境に目を配る事はますます大事になるでしょう。

2.小児外科的疾患

臍ヘルニア(でべそ)

新生児のへその緒の真下の筋肉がうまく閉じなかったために、力強く泣いたりりきんだりする1ヶ月あたりからへそが突出してくるお子さまがいます。触るとグジュグジュとした感覚があり圧迫するとお腹の中に戻ります。だいたい3~6ヶ月までは大きくなりますが、筋肉が発達する1才までには治ってきます。しかし、なかなか治りにくかったり治っても皮膚のタルミが残ってしまうお子さまもいらっしゃいます。基本的には何もしなくてもいいのですが、皮膚のタルミを予防するため皮膚がカブレにくい ハイドロコロイド被覆剤(市販品ではバンドエイドのキズパワーパッド70×44)で圧迫するのも選択の一つです。

肛門周囲膿瘍・痔瘻・切れ痔

2才未満のお子さま、特に1才以下に多く発症します。肛門周囲に腫れやしこりができとても痛がり、表面が赤くなったりします。一部が破け表面に膿がてくる事もあり、また肛門内に破け肛門から膿が排出され、その一部が膿の出る管になってしまえば痔瘻と呼ばれるようになります。多くはオムツかぶれや排便時に出来た肛門部の傷(切れ痔)が細菌の侵入によって化膿してできます。治療の基本はオムツかぶれを直し肛門部を清潔に保つことです。膿の溜まったしこりには、抗生剤の内服によって小さくなるの待機する治療法と、抗生剤の内服に加えてしこりを切開し排膿する治療法があります。痔瘻のような場合は何度も再発することがあるので、肛門部の清潔と毎日の観察(オムツの交換時に痛みがないか、シコリがないか)が大切です。

鼠径ヘルニア

乳幼児は泣いた時や排便時、年長児では運動後や入浴後などに鼠径部から陰嚢や陰唇にかけて膨隆ができます。圧迫するとグジュと音をたてて膨隆は消え痛がる事は有りません。しかし、膨隆部が硬く腫れあがり、さわると痛がって激しく泣く場合にはヘルニア嵌頓を疑い、直ちに整復術を行います。
鼠径ヘルニア自体は自然治癒することも有りますが、乳幼児期に嵌頓することが多いことから早期の手術を考慮します。

陰嚢水腫

新生児期から片方、時に両方の睾丸が腫れて陰嚢が膨れていますが、痛がる事はありません。数ヶ月で改善し1歳までにほとんどが治ります。1歳以降も腫れが治まらない場合には手術も考慮します。鼠径ヘルニアを合併することがあります。

腸重積症

1歳前後の乳幼児に多く発症し、突然「ぐったりして泣き、ぐったして泣く」のを繰り返し、ただごとではない様子が認められます。さらにお腹がはり顔色が悪く嘔吐やイチゴジャム状の血便などの症状が認められれば速やかに医療機関を受診させましょう。

虫垂炎(盲腸)

急激な腹痛を訴える急性腹症の中で虫垂炎は最も多い病気です。しかし、お子さまは痛みの訴えがハッキリしないため、その診断は大変難しく遅れてしまうののが現状です。虫垂炎の典型的な症状は、初期にはみぞおちからへそ周囲の痛みを訴え、次第に嘔気・嘔吐の出現と、痛みの右下腹部への移動がみられます。しかし、小さいお子さまの場合は、初めから痛みがハッキリせず、痛みが出ても右下腹部であったり下腹部全体の痛みであったりといろいろです。従って虫垂炎が少しでも疑えるならば、丁寧な腹部診察を一番に、血液検査や腹部エコー、腹部X-Pなどお子さまへの負担の少ない検査をフルに混じえて診断を進める事が求められます。早めの診断が大切なのは勿論ですが、時間的な推移で症状が明らかになる事も多いことから、お腹の症状が続く時には再受診をためらわずにお願いしたいところです。

肘内障

2~6歳ごろの子供が「ぐっと手を引っ張ったら急に泣き出して腕を動かさない」と訴えられて来院します。肘内障整復により、泣き止んで手を上げてくれれば整復が終了です。

ケガ

ケガ(擦過傷、挫滅傷、切傷)の治療の原則は、傷面の乾燥を防ぎ湿潤を保つ事です。創傷面の汚れを水道水で洗い落とし、出血がなければ創傷被覆剤(ハイドロコロイド被覆剤、食品包装用ラップでも代用できる)で密封します。出血が強い場合には、先ずアルギン酸塩被覆剤を貼付して上から接着剤付きフィルムで密封し、翌日は被覆剤を洗浄した後に創傷被覆剤で密封します。以降はどちらも1日1回被覆剤を交換して浸出液が出なくなるまで継続します。消毒の有無については賛否があり、状況の応じて使い分けをおこなえばよろしいと思います。例えば不潔な創傷なら水道水で洗浄した後に消毒をおこない、それ以外ならば水道水の洗浄だけで十分です。

ヤケド

お子さまの事故で比較的多いのがヤケドです。ポットのお湯やみそ汁、またアイロンやストーブなどが主な原因で起きることから、突然の受傷に慌ててしまう状況が見受けられます。対処方法としてまず冷静に患部の冷却に努めましょう。
受傷患部の広がりと深さの程度で重傷度を判定し、手のひら以上の大きさの場合や水疱形成が認められる場合には医療機関の受診をお勧めします。受診するまでの対応策は、受傷面の乾燥を防ぎ湿潤を保つために食品包装用ラップなどで被覆する事です。

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